NY旅行記vol.3 〜観光2日目編〜
《前回までのあらすじ》
『BANANA FISH』にのめり込みすぎて、とうとう舞台であるニューヨークまでやってきたわたしとMとKちゃん。
スリルショックサスペンスな出国・入国をくぐり抜け、現在観光を楽しんでいる真っ最中!
1日目はセントラルパークや自然史博物館、NY市立図書館(外観)を満喫して、はじめて3人で夜を迎えました。ハッピ〜〜〜〜!!!!
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ニューヨーク2日目。
今日はフェリーに乗る予定だったので、朝7時半に目覚ましをセットしていた。
「ネネネ!!! ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝の公開期間が延長だって!!」
Mの声がして目を開けると、彼女は隣のベッドで眠るKちゃんを揺すっていた。なぜ。
「M、そっちKちゃん!!!わたしこっちだよ!!!」
Mはわたしと同じベッドで寝ていたのに、隣のベッドのKちゃんをわたしと勘違いしたらしい。まあMは昨夜ベッド決めをする前に眠りにつきましたからね……。混乱しながらKちゃんも起きあがった。Mは興奮すると個人の判断がつかなくなる、とメモ。かわいい。ちなみにヴァイオレット公開延長はめちゃくちゃうれしい。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン
2018年1〜4月にかけ放送された京都アニメーション制作のテレビアニメ(現在Netflixにて視聴可能)。今年9月、公開予定の劇場版に先駆けて「外伝-永遠と自動手記人形」が全国公開された。公開当初は3週間限定の予定だったが、延長が決定!やったね!
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バタバタと準備をし、取り急ぎの朝食として常備ナッツと常備ビーンズを食べて出発。からりと晴れたクルーズ日和だった。
もともとはアッシュと英二が乗ったスタッテン・アイランド・フェリーに乗るつもりだったけれど、のんびりクルージングしたかったので2時間半のサークルラインをチョイス。結果、めちゃくちゃ楽しかったので長いコースにして正解でした。英二もアッシュに会う前にサークルラインに乗ったことあったみたいだし……。
▲サークル・ラインは観光客の御用達らしい
出国時のゴタゴタですべての厄を落としてきたと思われるほどスムーズに進む観光スケジュール。いちいちモントリオールの思い出を引っ張っては笑ってしまう。今ここで3人で笑いあえている奇跡よ。最高の身内ネタができてしまった。
フェリーに乗り込みちょっぴりそわそわ。わたしとMは大学時代、仙台のフェリーで爆睡した経験を持つ。
動きだして、ニューヨークの街並みが離れていく。この海、日本にもつながってるんだよな〜と思うとぞくぞくした。
進みはじめてしばらくして、隣に座るMの挙動があやしくなった。
「やばい」
どうしたどうした。Kちゃんと一緒にMの視線の先を見る。
「あのビル、プロメアです」
▲あのビル(ゴツゴツしてるやつ)
プロメア
2019年5月から現在も公開中(10月18日から4DXでの公開も決定)のTRIGGER×FLAGによるアニメーション映画。発火能力を持つバーニッシュと、その消火活動をおこなうバーニングレスキューがくり広げる超アクションエンターテイメント。松山ケンイチ、早乙女太一、堺雅人らが声優をつとめる。
プロメアにどハマり中のM、すでに7回劇場に足を運んでいる。(正気か?)
(しかし、Mに「あなたはガチガチの本気(マジ)の歩くプロメア図鑑だね」と言うと「イヤイヤそんな、わたしなんてまだまだだよ……もっと観てる人いるし……」と謎に謙遜してくる。イヤイヤ、おまえがいちばんだよ……。)
プロメアの舞台であるプロメポリスという街は架空の街だが、モデルとなったのはニューヨークらしい。Mにとってこの旅はバナナフィッシュの聖地巡礼でもありながらプロメアの聖地巡礼でもあるのだ。歩いているときも「あっプロメア!!」と言ってはよく写真を撮っていた。よかったね……。
実際、プロメアはめちゃくちゃおもしろい。わたしもMから猛プッシュされたその日にレイトショーで観た。映画館には2回しか行っていないのでMの前で語るのはおこがましい気しかしないけれど、2回めのほうがおもしろいくらいおもしろかったので観るべしです。
プロメア未視聴のKちゃんにプロメアの魅力を説きまくるMを眺めていたら、フェリー内の人々がワラワラと窓側に集まりはじめた。ミーハー観光客の我々も覗きにゆく。何事?
あっ
女神だーー!! 自由の!!!(突然の倒置法)
「アメリカを感じる!!!」
「リバティ!! リバティだ!」
「ここは地球だったんだ〜〜!!!(猿の惑星)」
急な盛り上がりを見せる我ら。各々好き勝手言う。
フェリーはどんどん自由の女神に近づいて、そして離れていった。
はじめて生・自由の女神を見た。本当に存在しているんだなあと間抜けなことを思う。なんていうか、「あるけどない」みたいなものってこの世にいくつもあって、わたしにとって自由の女神も「あるけどない」存在だったのだ。はっきり見たし写真にも撮ったのに、いまだにすこしふわふわしてしまう。お台場のよりもすごかった(当たり前)。
やいのやいの騒ぎながら、今度は甲板に出た。風がすさまじい。すっかり自由の女神ばかりに気を取られていたが、船内から出て見つけてしまった。まって、もしかしなくてもこの景色は!!!!!
「やばい、オープニングだ!!!!」
「ほんとだ、オープニングだ!!!」
「どこからどう見てもオープニングだ!!!!!」
興奮×風により声量をあげる3人。
▲オープニングだ〜〜〜〜〜!!!
完全に一致。バナナフィッシュ1期のオープニングです。肉眼で見たときの感動っぷりが半端ない。同じ景色の写真だけで30枚は撮ったと思う。風に吹かれながら「オープニングだ!!!」しか言えなくなる。オープニング、オープニングだったね……。超カッッッコいいよねオープニング……。(オープニングのゲシュタルト崩壊)
それからブルックリン大橋の下を通過。しばらくするとガラリと風景が変わり、緑の海岸が続いた。
「『アメリカはでっかい田舎なのさ……』」というアッシュのセリフを思い出す。
やっぱりどんな先進国にも、栄えている地域とそうでない場所はあるのだろう。東京だって23区を離れれば途端に「らしく」はなくなるし。わたしの住んでいるところだってそうだ。
騒ぎ疲れお腹が空いたので、船内でサンドイッチとナチョスを購入。
▲あまり期待していなかったけれどめ〜っちゃウマでした。ペプシがでけえ。
そんなこんなであっという間に2時間半の船旅は終了。それでもまだまだ時間はたっぷりあった。
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タイムズスクエア、ラジオシティ、トランプタワー。フェリーを降りたあと、ティファニー本店や5番街など見て回りたい景色を見ながらひたすら歩いた。
ロックフェラーで伊部さんと英二ごっこ(おのぼりさん)をし、カーネギーホールを見てゴルツィネごっこ(『この街をお前にやろう……』)をした。
聖地巡礼の何が楽しいって、歩くだけでとにかくテンションがブチ上がるしお金が全然かからないところ。
まあもちろん今回はニューヨークまでの旅費や宿泊費、その他もろもろの経費(eTAもESTAも申請にお金かかったよ……いくらでも払うからとにかく承認してくれって感じだったので実質タダでしたが)が超かかっているので「お金がかからない」には矛盾しまくりだけど、現地では全然使わなかった(気がする)。
てくてく歩いて、とうとう目的地に到着。ええ、そうです、前日なぜか外観だけ拝んで帰ったNY市立図書館です。
ついに、着いてしまった……。
一度見ているくせに、やっぱり図書館を目の前にするとワタワタしてしまうわたしたち。ひとまずホットドックスタンドでホットドックを買う。アッシュと英二も食べてたからね。噴水横のベンチに座って食べた。ベンチを見ただけで打ちひしがれてしまう。ベンチ………。っ……。
ホットドックを食べ終え、意を決して図書館の中へ。入り口のロビーで崩れ落ちそうになるも平静を装って進んだ。勝手に、いつもアッシュがいた読書室は1階だと思っていたけれど3階だったことを知る。階段が案外きつくて(運動不足)、アッシュはここをのぼったのか……と息切れしながらわたしも脇腹が痛い気がしてきた。
そして。
もう言葉はいらない、というかなにも言えなかった。どれくらい立ち尽くしていたのかよく分からない。ああ、アッシュはこの景色を見たんだな。そう思うだけで胸がいっぱいになった。
席にも座って、天井も仰いだ。
ほぼ音声を発しないまま、わたしたちはその部屋を出た。
「すごかった」
「すごかったよね」
「すごかった」
575のやりとりを繰り返しながら階段を降りる。ここにおまえらと来られて本当によかったぜ、っていうのは心の中で言ったんだっけ、声にしたんだっけ。記憶がおぼろげである。ふたりと来られて良かったぜ、ありがとうな。
読書室を出てから少しずつHPを取り戻し、他の部屋も見て回った。
一般利用(本の貸し出しや勉強など)はもちろん観光スポットとしてお土産コーナーや展示なんかもされていたので、見応えがすごい。絵本コーナーに元祖プーさんクマがいて、全然似てねえと思いながら眺める。MとKちゃんは以前プーさん展に行ったらしく、「これだ!!」とめっちゃ食いついていた。
▲それにしてもピグレット(なのかすら不明)、顔面凶悪すぎん???
お土産コーナーで絵葉書と真っ赤なトートバッグを買った。ずっとむかしからトートバッグがすぐ欲しくなってしまう病に冒されていて、未だ治る兆しが見られない。このままお付き合いしていくしかないんだと思ってあきめている。
もうすぐ叔母になるMは、生まれてくる赤ちゃんのためにベビー服を買っていて、ねこ好きのKちゃんはねこモチーフのグッズを見つけるたびに立ち止まっていた。それぞれ完全に自分の嗜好に走るのがとてもよかった。
ほとんどの部屋をこれでもかと味わって、市立図書館を退出。今更だけどこれ本当に入館無料でいいんですか???むしろ払わせてくれ、金を……。
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今度こそ本物の図書館の余韻に浸りながら、いったんホテルに戻った。昨日以上に歩き回ってヘロヘロだったが、ヘッヘッヘ、なんとわたしたち、夜にブロードウェイ観劇の予定を入れておりました。プランニングが上手すぎる。
観劇前に軽く腹ごしらえ。ロブスターのサンドイッチを食べた。めちゃくちゃザリガニだった。(おいしかったです!)
▲そういえばこの日、朝も昼も夜もサンドイッチ系だな
観たのは「FROZN」。邦題はみなさんご存知「アナと雪の女王」です。
も〜〜〜〜アナもエルサもほんっとうにうつくしくてかわいかった。あと、みんな歌がめ〜ちゃくちゃうまい(感想がバカ)。けっこうコミカルにアレンジされていて、笑えるポイントがたくさんあった。映画にはないシーンもちらほらと。終演後は紙吹雪が舞い、みんながスタンディングオベーション。この観客のリアクションは日本では見られないものだと思う。
観やすくていい席だったのは、ひとえに受付のおじさんに交渉してくれたKちゃんのおかげ!
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劇場を出て、スーパーでジャンキーフードを買ってホテルへ帰宅。最高な2日目は楽しく酒盛りしながら締めくくった。
帰りたくない気持ちマックスのまま3日目に突入〜〜〜(ごめん、まだ続きます!!!)