いじわるな感想

仕事で駅から徒歩15分の目的地に向かいながら、あまりの暴力的な暑さに逆に笑いそうになった。そこそこ栄えている駅だったけれど、歩き始めて5分ほど経てば人影はほとんど見当たらなくなる。そりゃこんな暑けりゃみんな外には出ませんわな。閑静な住宅街、太陽はちょうど真上。いいかげん日傘を買わないと、と去年も一昨年も思ったのに、結局わたしは今年もじりじりと肌を焦がしている。

 

世の中は昨日から4連休らしい。仕事に向かう電車の中、旅行にいくんだろうなという家族連れをいくつか見た。今って緊急事態宣言中なんじゃなかったっけ。もう世間のみなさまにとって、緊急事態宣言は赤信号どころか黄色信号ですらなくなっているのかもしれない。

 

何を信じたらいいのか、何を目指したらいいのか、自分のなかにあったはずの指針がぶれぶれに揺らいでしまって、ツイッター含むSNSを見るのをすこし休んでいる。「4連休中も仕事詰めちゃってごめんね」と上司に謝られたけれど、正直暇な時間ができたら余計なことを考えてしまうかもしれないから、忙しくてよかったと思う。

 

 

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7月は、16日公開の映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』を観るのがとにかく楽しみだったので、公開初日の夜、ぎりぎりの時間で劇場にすべり込んだ。観終えて、あまりの凄まじさにひとりじゃ感情を消化しきれず、先行上映を観たと言っていた大学時代のマブダチに電話。どこまでも痛快でどこまでも切なくて、人はいつだって被害者にも加害者にもなるのだとあらためて思い知った。ドラッグストアのシーンがめちゃくちゃ最高だったので、ある程度心臓が強い人はぜひ劇場で観てほしい。傑作だった。

 

 

あと、観ようかな~どうしようかな~と迷っていた、そばかすの女の子が歌うアニメ映画も観た。この流れで書くのは申し訳ない気もするけど、正直ぜんっっっっっっっぜん心に響かなくて落ち込んだ(超個人の感想です)。

音楽、というか歌と映像はよかったので劇場で観たことは後悔しないけど、いろんな意味で客ナメてませんか?と思ってしまった。イヤ、ただ単にわたしの精神状態がよくなくて斜に構えた見方をしてるだけかもしれないけど………それにしても、最近のアニメやマンガはみんなが考察してくれるからって甘えてない?といじわるな感想。登場人物たちの行動がどれもあとづけにしか見えなくて冷めた。冷めてしまう自分にもがっかりした。ダメ、これ以上は黙ります。

 

 

溜まりに溜まった日記を書いていたらブログも書きたくなって、ひさしぶりに更新してみた。みんな何をしているんだろう。わたしは元気です。これから『Sonny Boy』観るよ。

 

 

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これはきのう歩いている途中で遭遇したクマ

2021春ドラマ/アニメ備忘録

毎度の備忘録です。

今期はアニメはもちろんドラマも個人的に好みのものが多かった!

 

『大豆田とわ子と三人の元夫』がも~~~~良すぎて……

 

芝居めいた演出なのにわざとらしくなくて、舞台っぽいのに現実っぽくて、登場人物みんなかなりキャラ立ち激しいのに溶け込んでいて、脚本、演出、芝居すべての化学反応が最高なドラマでした。

坂元裕二節ゴリゴリだったよね。要所要所に『カルテット』み感じられて楽しかったです。

 

あと、かごめという存在の退場でかつての親友を思い出して、だけど辛くならなかったのもよかった。自分の中で思い出が更新されないことはずっと怖かったけど、ドラマでいきなりぎゅっと思い出しても直結しなくなったのは時間が経ってくれたおかげなんだろうなあと思う。(完全に自分の話をしてしまった)

 

今期のドラマでいえば『コントが始まる』も良かったです。終わり方最高すぎて、ラストシーン観ながら1話のラーメン屋の太賀みたいに笑い泣きしちゃった。演技がうますぎるんですよ、ぜんぶアドリブって言われてもびっくりしないくらいみんな自然だった。

 

 

はい。以下、アニメです。

 

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不滅のあなたへ

この春いちばん楽しみにしていたアニメ!

ちょうど去年の今くらいに、上司が「好きだと思う」と原作を全巻貸してくれて知った作品です。今思えば、まだ当時そんなに好き作品暴露してなかったのに、いろいろバレてたんだろうなと。

一気読みしたのち、気づいたらわたしも全巻買っていました。テーマ、舞台設定、構成力、ぜ~んぶ天才。アニメ化するって知ったとき、それこそ上司とメチャ喜びました。しかも主題歌が宇多田ヒカルでちょ~~いい。

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あと、主人公のフシの声が川島零士って超新人の声優さんなんだけど、今どきの人気声優じゃなくてちゃんと作品にあった人探したんだろうなっていうのも好感度あがりました。いいもの作りたいっていう製作側の意識はこういうところで感じるんだよね……。そんな中で「観察者」に津田健次郎は大優勝。最初のナレーション「それははじめ球だった」でガッツポーズした。面白くならないわけがあるだろうか、いや、ないです。

不滅のあなたへ』というとおり、不滅(不死身)の主人公・フシが旅をしていくお話なんだけど、不死身であるがゆえ出会う仲間たちみんなを看取ることになるのが本当に切ないししんどい。わたしは、わたしはグーグーがだいすき……

原作はまだ連載中なのでアニメでどこまでやるのかってところだけど、オープニングを見るかぎりジャナンダ島まではいくんだと思う。完結したらアニメでも描ききってほしいと思うほど良作です。時間あるときに一気見とかも楽しそうだし、丁寧にやってくれているので原作未読でも全然楽しめます!!ぜひ!!!

 

 

『東京リベンジャーズ』

これも楽しみにしてた! 2クール発表がこないだされましたね! うれしい~!!

原作未読なんだけど、アニメ観終わったら全巻買おうと思ってます。東卍のメンバーがかっっっこよすぎるので続きが気になる。

ヤンキーもの×タイムリープってむちゃくちゃやん!と最初は思ってたけど、いや~いいもんだった。あんなにも大幅な過去改変、未来に影響しないわけがないのでは?とも思うけど、これは気にしたら負けなのかな。タイムリープものには何かしら矛盾が発生してしまうものなのでしょうがないけど。

髭男のオープニングすごく好き。(正直キャラデザはそこまで好みではないんですが、ある意味平静で観られるからよかったかなウン……

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僕のヒーローアカデミア5

きました5期~~~~!!!

あんまり言ってなかったけど(そうでもないかも)、実はわたしヒロアカめっっっちゃ好きでして……こないだ原画展にも2回お邪魔してきました。最高でした。最高でした。

ヒーローを目指す高校生たちが主人公の超王道ジャンプマンガだけど、ヒーローとはなんなのか、正義とはなんなのかというところまで突き詰めているから奥が深い。正直本誌の展開はかなりダーク寄りになってきています(ホークス、いまでもあなたがわたしの光)。最終章とか言われてるからそろそろ終わりを迎えるのかな……読んでいるジャンプマンガがどんどん終わっていく……

A組対B組の対抗訓練、すっごい楽しみだったからアニメで動いてるの観れたのうれしかったな~! 爆豪の、爆豪のかっちゃんが……ウッ(嗚咽)

毎週土曜17:30~放送なので、今期は土曜日にあまり予定を入れずリアタイしています。ひとりで観るの不安だからだいたいマブダチを召喚しているかわたしがマブダチハウスに降臨している。いつもありがとうね……(それでそのまま『コントが始まる』まで観るのが定番の土曜日だった)

 

86日の劇場版も着々と迫っていますね!!!!新ビジュアルとかいろいろ情報解禁されて嬉しい。は~~~かっちゃん………主題歌アジカン!!ヒロアカはいつもOPEDもつよい。楽しみです。

このまま2クール突入です!ちょっと原作と順番違うからどういう構成になるのかも楽しみ。

 

 

『86 ―エイティシックス―』

はい。今期のアニメたちの中でずば抜けてしんどいのがこちらではないでしょうか。なんてったって作品公式ホームページのコピーが「少女は“涙”と共に。少年は“死”と共に。」。

もうこれだけでわかるひとにはわかるでしょ……しんどいっていうかしんどいんです。なぜならしんどいので……(小泉構文)

あらすじがネタバレになりかねないのでふんわり説明をしておくと、機械と“人以外”が戦う世の中の話です。そう、人以外というのは……フフ、君のような勘のいいガキはきらいじゃないよ。

話数追うごとにしんどさが増して、毎回比喩でなくうずくまってしまう。どこまで試練を与えれば気が済むんですか? 神様は乗り越えられる試練しか与えないはずなんですが?

そしてそして、音楽:澤野弘之。はい優勝……(わたしにはめちゃくちゃいいシーンで澤野さんの音楽が流れたら泣くシステムが搭載されています)。作画のクオリティも高くて劇場版レベル。これスクリーンで観たいな~~

原作は未読なんですが、ラノベ?なのかな。ネタバレが怖くてあんまり調べられてません。

2クールっぽいので全然先が見えない感じで1クールが終わっています。どうやらこのまま続けてではなくちょっと時間開けての2クールめになりそう。それくらい間あけてくれたほうが心臓のためにはいいかもしれない。

 

 

『魔道祖師』

続いてます。続いてますよ!!(そして最終回を迎えました)

気づいておられましたでしょうか、ジワジワと毎週土曜、Twitterのトレンドに「#魔道祖師しんどい」が入っていたことに……。ちなみに2期(陣雲編)から石田彰登場してました。でも相変わらずみんな顔が似すぎていて誰が誰だか全然わからなかった。解説者現れてほしい。

7月から、全然違うけどまた中国アニメの「天官賜福」っていうのが始まるみたいでフーンと思ってる。最近中国アニメの輸入がよく見られますね。興味深いです。

 

 

『シャドーハウス』

ダークファンタジー!おもしろい!原作マンガは未読。

とにかくエミリコがかわいい。どこかずっと不気味なのにちゃんとかわいさもあって、これは脚本と演出が見事なんだろうなと。

顔のないシャドーと、その“顔”として存在する「生き人形」のお話。

言葉通り表裏一体の彼らが何者なのか、回を追うごとにわからなくなって、続きがすごく気になる。ちゃんとペアとして認められないといけないっぽいところでホラー感がさらに増すよね好きです、この空気感。EDも好き。

 

 

『バクテン!!』

男子新体操というマイナー競技に取り組む高校生たちの、キラッキラな青春ストーリー。完全オリジナルアニメで、最近こういうスポーツもの増えたな~という印象だったんだけどとってもいいです。演技のシーンをちゃんとフルで見せてくれるの良い!

演出がよくて思わず競技の様子に見入っちゃう。わたしは古い人間なのでCGアニメが苦手なんですけど、うまいことアニメーションと組み合わせられていて違和感なく観られる。あるあるな展開が続いたりもするけど新鮮な気持ちで観られるのは、その演出の妙もあるからなんだろうな~と。

若者が夢を追う姿はなぜこんなにまぶしいんだ……たまにポムじいさんになりかけるけど、でもこの青さとまぶしさを欲するときあるよね。

大会どうなるか見守ります。

(正直11話は「エ?!?!?!?!いいの!?!?!?!?!?」と思っちゃったけど……!!!!!!まだ目をつぶれる範囲内………!!!!!!)

 

 

ゴジラS.P.〈シンギュラポイント〉』

制作ボンズだ!(ヒロアカやらエスケーエイトやら作ってるところ)と思って観始めたアニメ。出だしから引き込まれ具合すごかったんだけど、中盤からぶっちゃけ夢中でっていうより一生懸命観た感はありました(ネトフリ勢なので完結まで視聴済みです)。

……いや、でもこれはたぶん、わたしがめちゃくちゃ科学に疎いからです。クソ~~頭が悪いからという理由でエンタメ楽しめないの最高にくやしい~~~。勉強や教養、生きていくため(楽しめるものの数を増やすため)に必要なんだなと突きつけられている。

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好きなものを好きな人たちが作ってんだなと感じられる良作。変に理解するための説明が多くないゆえわたしみたいなおバカちゃんは上記のように「?」となる部分もあるかもだけど、なんだかんだついていけるので大丈夫!(TENETほどわけわからなくない、けど本当に頭が悪いなあわたしはと思った)

とりあえずペロ2ほしい。なんてかわいいの!

 

 

フルーツバスケット』The Final

終わってしまう…………20182019?からやっていたアニメ版フルバがついに終わってしまう…………!!!!!!!

人には誰しも人格形成に携わった何かがあると思うんですが、わたしの場合それはフルバではないんですね(ないんかい)。

そう、だって『フルーツバスケット』の原作マンガを全部読んだのは本当についこの間だから。もちろん超有名な少女マンガであるということは知っていたし、アニメも1期から観ていたからおおよそのストーリー展開もわかってはいました。ただ、中学生とかの多感な時期(この言い方あんま好きじゃないけど言い換えがわからなくて使う、ごめん)に触れた作品ではなかったんですよ。じゃあわたしの場合のフルバに代わるものがなんだったかというと、それは『彼氏彼女の事情』でした。

…………………フルバ、好きに決まってるやん……………て感じでしょ………。アニメを観ながらマンガを読みながら、自分の人格形成に携わった作品の登場人物たちが心のなかで大暴れしはじめて大変だった。これ、中学生でまとめて読んでいたらわたしどんな大人になっていたんだろう。

ちなみに、フルバを貸してくれた友達は『カレカノ』を読んだことがないらしいので、今度全巻持っていこうと思っています。読ませないと。

(みんなの人格形成に携わった作品を聞くの大好き)

 

 

SHAMAN KING

ここ最近懐かしのアニメのリブートたくさんあるけど、その中でも放送前から盛り上がっていたのがこのシャーマンキングなのでは!

前作へのリスペクトをばちばちに感じるリメイクで最高です。全35話なのでまだ続きますよ~!

 

 

あとは『憂国のモリアーティ』2期も観てます。どんどん話が深くなってくるから1期よりおもしろい! 最初から2クールやりますよって公式が言ってくれてるのは強いよね。

 

ちょっと脱落しかけているのは『すばらしきこのせかい』(7話までは観た)、『灼熱のカバディ』(2話までは観た)。いや、観ようとは思ってる、思っているけど、もしかしたら観きれない、かもしれない………

 

無理しないで観たいものだけ観よ~精神で観ているので毎度グダグダ備忘録になるけど、そのときの自分のテンションとか熱意がどの作品だったのかっていうのもわかるしいいかな~と思ってます。好きなものに対しては自分に甘々な人間でいることが大事だと思う。

 

さて!今日大豆田とわ子に会えないのは寂しいけど、きのうの『シャドーハウス』まだ観れてないので観ようかな。それではまた。

 

あなたの素顔

初めて会う人の前でマスクを取るのが怖くなった、という話をよく聞く。最初はなんのこっちゃと思っていたけれど、今はその心理がめちゃくちゃよくわかる。だって、わたしもこわいから。自分がひとからどう見られているかとか、顔がブスだとか美人だとか、そういう自分の見た目に関して特段なんとも思っていないつもりだったけど、マスクを外したとき明らかに「あ、なーんだこんな顔なんだ」をされるとなかなか気分が落ち込む。(悪うござんしたねこんな顔で)と思う。口の悪い男友達にその話をしたら、「あーたしかに、おまえ鼻から下隠してたら○○(芸能人)に似てるからな。笑」と言われてちょっと怒った(恐れ多いのでふせさせていただきました)。

落胆されることに落胆するなんて、今までも「わたしは自分がどう見られているかなんて気にしてないよ~」といいながら実はめちゃくちゃ気にしてたのかな、なんてよくわからないことまで考えてしまう。たかが鼻から下を見られたくらいで。

 

でも、そう思うようになったのは、こうしてマスクを付けることが常識な世の中になったからだ。

 

他人に裸を見られるのは恥ずかしい。それは当たり前の感情だろう。わたしたちは普段、常に肌着を身に着け、洋服を着、自分の素肌を外界から隠している。素っ裸なんて、本当に親しい人にしかさらさないし、裸を見せ合う間柄だとしても、年がら年中ずっと見せているわけではない。

 

コロナ禍になって、マスクをすることが当然になって、素顔をさらすのは親しい人の前でばかりになった。今まで見えていて当たり前だったものが隠れるようになったから、それを見せる瞬間、相手はしっかりと「見るぞ」という意思でこちらを見ている、と感じるようになってしまった。

 

事実、わたしだってそうだ。3月から入社してきた新しい同僚の顔を未だみたことがない。毎日出社はしていても、ランチに一緒に行くのはダメというのが全社的にルールとされているから向かい合って食事をしたこともないし、わざわざプライベートで出かけるなんてことはもっとない。

マスクの下、どんな顔なんだろうと思ったことは当然ある。そのたびに、自分も同じことを思われているんだろうな、と考える。

 

顔なんてどうでもいいけど、でもそれは最初から見えているからこそどうでもいいのだ。ただの会話と、嘘をつかれているとわかったうえでする会話がまったく違う何かを孕んでいるように、わざわざ隠されたものは暴きたいと思ってしまう。そして、その下にあるものを常に期待してしまう。だから、実物を目にしたときに落胆してしまうのだ。考えれば考えるほど人間は愚かだと思う。

 

いつか、またマスクなんてしなくて当たり前の世界が来たとき、鼻から下を隠して「○○に似てるって言われることあるんだけどどう?」って言ってみたい。似てないよ~って言われて笑いたい。

 

お気に入りのリップが全然減らなくて、この1年、ほとんど唇に色をつけなかったんだなといまさら思った。

ウソの代償

HBOドラマ『チェルノブイリ』を観た。

 

video.unext.jp

 

2019年の放送当初かなり話題になっていたため耳にはしていたものの、日本での放送はなく(と、今調べてみたらアマプラのスターチャンネル?てとこでやっていたっぽい)観ないまま2年過ぎていた。

この4月、新作としてU-NEXTに登場。きたきた、と再生ボタンを押して、のめり込んでしまった。

 

チェルノブイリ原発事故」を知らない人はいないだろう。でも、じゃあどんな事故だったのかと問われたとき、きちんと説明できる人はどれくらいいるんだろうか。

 

ドラマは全5話(11時間程度)。観ようと思えば平日でも3日で完走できたが、その11話があまりにも重く、連続で観てしまってかなりぐったりした。それでもやっぱり観てよかったと思う。

 

 

物語は、ある科学者の遺言から始まる。

 

ウソの代償とは?

――真実を見誤ることじゃない。本当に危険なのは、ウソを聞きすぎて、真実を完全に見失うこと。

 

彼は重要で大切な真実の告白を残し、暗くさびしい部屋で、自らの首を吊った。

 

時は遡り、1986426日午前123分。原発のある町、プリピャチ。

チェルノブイリ原発の屋根が燃えた。管理者は「タンクが爆発した」と報告し、ただ「屋根が燃えた」と思った消防隊は、防護服も着ず通常通りの消火活動を行った。本当に爆発したのは原子炉で、その場には恐ろしい量の放射能がばらまかれていたのというのに。

火事を見物するために、見晴らしのいい橋に集まった人たちもいた。

「なぜあんな色で燃えるの?」

「燃料のせいさ、あそこにはガスも火もないんだって」

「ふうん、綺麗だね」

目に見えないはずの放射能がちいさな塵になり、スローモーションで見物人たちへ降り注ぐのを見て、それが映像の演出にもかかわらずゾッとした(そのとき橋で火事を見物していた人は全員亡くなり、現在その鉄橋は”死の橋”と呼ばれているという)。

 

町の住人たちは、誰も放射能のおそろしさを知らなかったのだ。子どもはもちろん大人も、そして原発で働いている職員ですらも。

このドラマですごいと思ったのは、放射能障害によって苦しむ人たちの描写をまったくためらわないところ。肌が黒ずみ、粘膜がただれ、皮膚が崩れていくそのさまを隠そうとしなかった。

起こった事象がいかに残酷で悲痛なものだったのか。制作陣の「忘れてはいけないのだ」という強い意志を感じた。

 

ストーリーは淡々と進む。チェルノブイリ原発事故が起こってから、消火活動が始まり、町の人々の避難、その後の自己処理。

14話までは、実際なにが原発事故の原因だったのかわからない。ドラマの主人公と呼べる科学者・レガソフも、「なぜあんな爆発が起こったのかがわからない」と一貫して述べる。原発の事故は「ありえない」はずだった。でも起きた。それはなぜなのか。

すべてが明かされる5話で、本当に絶望した。何の罪もない何十万人もの人々が、嘘と隠蔽によって生まれた事故で苦しんだ事実。もちろんドラマになるうえで盛り込まれたフィクション要素もあるが、それでも現実だということ。

チェルノブイリ原発事故から、今日で丸35年が経つ。

 

 

間違いを間違いだと認めることが難しいときは、確かにある。間違えずに生きることなんてできないし、失敗することだってあって当たり前だ。それでも、間違いを隠したり、ましてやなかったことにするなんて、それこそ絶対に間違っている。そんなことをひしひし感じた。

 

繰り返しになるけれど、今、このドラマを観てよかったと思う。

残しておきたくて書く。この衝撃と絶望は、忘れないでいたい。

 

 

 

2021年冬アニメ備忘録

2021年冬アニメも後半戦に突入してきました。毎度おなじみの観ているアニメ備忘録です。

 

※3/21 追記しました

 

今期もほんと~におもしろいアニメばっかりなんだけど、実はいくつか脱落した作品もありました。仕事が立て込んでいてじっくり観る時間がつくれなかったというのもありながら、観るのがしんどくなってしまったというのが理由としてはけっこう大きい……

 

作品の善し悪しとか、おもしろいとかつまらないとか、そういうのは人によってそれぞれだと思うから今までもネガティブな理由から観るのをやめた作品についてはわざわざ語ってこなかったんだけど(というか自分がそういう感想見ると悲しくなっちゃうので)、今回はあえてそのあたりも少し触れてみようかな、と思います。

あくまでもわたしが思っただけの話なので「そうなんだ、ふーん」程度に流してくれれば! あるいは、「いやその続きからがいいんだよ、そこで観るのやめるのはバカだよ!」みたいなのあれば教えてもらえると嬉しいです。

 

 

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『呪術廻戦』

なんて前置きをしたあとに、去年から引き続きどハマリ中のこちら。イヤ~~~もうシンプルにおもしろすぎる。ジャンプで連載中の原作もめちゃくちゃおもしろいし(本誌勢、息してる?)(わたしはしてない)、あとやっぱり何度でも言ってしまうけどMAPPAが天才。作画、演出、構成、すべてが神がかっていて、アクションシーンの迫力に毎週殴られっぱなしです。「それぞれが持っている術式で戦う」って聞くと頭脳戦というか、本体はすこし離れたところから指示を出す的なイメージが当初はあったんだけど、もうガンガンの肉弾戦です。翔ぶし跳ねるしすごい近距離戦だし。だからこそ、五条悟っていう自他共に「最強」な規格外グッドルッキングガイの存在がより引き立つ……虚式茈、やばかったですね。

(ちなみにわたしは呪言師の狗巻棘先輩が好きです…普段おにぎりの具しか語彙がないため、戦闘時に放つ言葉の威力にやられる視聴者の数はえげつないと思う。ふつうにぶっ飛びました)

今アニメでやっているのは原作6巻あたり。どこまでやるのかな~と思いつつ、気になるあの場面は2期になるのか、はたまた劇場版になるのか、日々空想にふけっています。

あとさ~~~~MAPPAはオープニングとエンディングが本当にセンスの塊だよね。1クールのEveとALIも最高だったけど、今期も言うことなしです。きちんと2クールめのストーリーを表しつつ、今後も予感させるあの1分半、本当に贅沢。

 

 

進撃の巨人 The final』

原作マンガがあと2話で完結する、という情報もあたらしい『進撃の巨人』。きちんと原作に沿ってアニメも終わるんだろうなと、毎週最新話が放送されるたびに心がギュウっとなる。もはや人間vs巨人という構造ではなく、複雑な人間同士のドラマだ。壁の中と外、人種の違い、わたしはもう何もわからない……。

アニメ制作がWIT STUDIOからMAPPAにかわり、巨人がCGになって賛否あるみたいだけど、個人的にはすばらしいと思ってます。

ひたすら息をのんで見守るだけですね。どうなるのかな。

 

 

BEASTARS』第2期

2期!2019年夏にやっていた1期の続きです。

前回の12話かけてレゴシの自己がかなりハッキリしたこともあり、おもしろさも倍増した気がする。わたしは前回よりかなり好きです。(ぶっちゃけ1期はあんまりハルちゃんが好きになれなくてだな

単純に考えたら、肉食動物>草食動物ってなりそうなのに、ビースターズの世界では草食動物のほうが社会的地位が高いように見えるのがすごく興味深い。きちんと理性で成り立っている動物社会を描いているからこそ、本能的、衝動的な行動をしてしまう肉食動物は愚かってことなんだろうけど、そう思うとじゃあなんのために存在しているんだろうって思ったりもしちゃうんだろうな。一度考え始めるとめちゃくちゃ時間がたってしまう。もし、人間以外の動物もみんな言葉を話して意思疎通ができて、と考えたらこの世界はどうなるんだろう。(あとずっと気になっていたんだけど、ビースターズの世界には「人間」という種族は存在していないという認識でいいんですよね? あまりにもファンタジックじゃないから、実はいますよみたいな感じであとから登場したらめちゃくちゃ怖いんですが……)(原作未読です)

あと、オープニング&エンディングがYOASOBIなのもいい。とくに『やさしい彗星』が好きです。

 

 

『怪物事変』

こちらも原作は未読。きゅるんとかわいい妖怪たちのお話かな~!と思ったらかなりダークよりでオッと思いました。

普通にバレてると思うけど(ていうかそもそも隠してもいませんが)、わたしは日常系ほのぼのアニメやビジュアルがふわふわしている系のアニメより、めっちゃ戦ったり闇深かったり考察が捗る系のアニメのほうが好みです。つまりこれも好き!

識くんいいな~って思ってたら、友達に「ぜったい好きだと思ったよ……」と言われて「ば、バレとる」となりました。わたしの推しはわかりやすいらしい。そうですか……

そんな識くんのおじさんエピソードやばかったですね。中の人(声優)が石田彰っていう時点でかなり予感はしていたけど想像以上だった。わたしの初期彰がコエムシのせいで石田彰のイメージはかなりそれです。

職場の先輩が「久しぶりに石田彰石田彰してたね」と言っていてニコニコした。してましたね~

 

 

『魔道祖師』

もともと中国で放送されていたアニメを、日本語吹き替えで収録し直し放送されている作品。『怪物事変』の放送時間を間違えて(『怪物事変』は土曜22:30~なんだけど、『魔道祖師』はその前の時間帯。放送局は同じ)うっかり録画されていたからという理由で見始めたんだけど、イヤこれがはい、なかなか良いんですよね………

先にも言ったように中国を舞台にしたアニメなので、とにかく人物名が長いということもあり最初はマジでちんぷんかんぷんでした。なんかひとりあたり3つくらい名前がある。なんでなんだ。そして漢字が読めない。らんわんじー?じぇんうーしぇん??(下記は親切な人物相関図)

魔法というか呪力というか、そういった力が存在する世界。お話としては、闇落ちして封印されていた主人公が13年の時を経て復活して、というところから始まって、じゃあなぜ闇落ちしてしまったのか――をさかのぼっていくというものなんだけど、イヤ~~~実はこれ、バリバリにBLなんですね。はい。そういうことです。BLだとわかった瞬間に(そもそもの前情報なしで観始めていたのでなんにも知らなかった)意味不明だったストーリーも登場人物たちもスッと「理解って」しまいました。

とはいえ、別にゴリゴリな色恋沙汰ばっかってわけじゃない。それぞれの身分とか宿命とかしがらみとか、そんなものにとらわれていたりしていて、人間ドラマ込み入りまくってるので見ごたえがある。あと絵がめっちゃきれいです!(でもみんな顔が一緒。激似)

 

 

はたらく細胞BLACK

おなじみ『はたらく細胞』のブラック版。体の環境悪いと細胞もブラックになっちまうんだなと思いながら観ています。労働環境っていうより生活環境がブラックだから、細胞たちも大変だな~と思う。このあいだの最新話の展開はかなりびっくりでした。

あと、このアニメの世界となる体は男性なので勃起とか射精とかそういう体の現象が出てくるんだけど、女の体だったらそれこそ生理のときとか細胞はどんな働きしてるんだ?って気になる。

 

 

ワンダーエッグ・プライオリティ』

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脚本・野島伸司。それだけで「ワッ」てなるでしょう……

あらすじの説明しようがないのでとりあえず観てくださいって感じ。だからまあ、とりあえず観てください。好きだったら1話で引き込まれるだろうし、微妙だったらそこでフェードアウトして全然OKだと思う。

(たぶん難しすぎたから、最新話の8話で今までのおさらい!みたいなことやってくれてます。たすかった)

あとシンプルに絵がめちゃくちゃキレイですごい。TVシリーズのクオリティのそれじゃない。

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オープニングが「旅立ちの日に」で、なんでか毎回泣きそうになっちゃうんだ……(youtubeに公式があげていたOP映像は期間限定でもう見られないので、それだけでもU-NEXTとかネトフリでみてほしい)

 

 

おそ松さん』第3期

2クールなので前回から続いて。相変わらずのおそ松ワールド!(実はあんまりうめとしゃけがすきじゃない)

 

Dr.STONE』第2期

 

1期に続いておもしろい。化学、マジで成績めちゃ悪だったので化学単体へのおもしろさはやっぱりわからないんだけど、それが物語に組み込まれると一気に「おもしれ~!」てなるからエンタメは偉大ですね。

 

『SK∞ エスケーエイト』(3/21追記)

今期エスケーエイト観てないのはバカ!とマブダチに言われて観ました。監督がバナナフィッシュの内海さんで、作画にもバナナフィッシュの林さんがいるという超豪華スタッフだったのになんとなく1話見逃してからスルーしてたんだけど、いやはちゃめちゃに良かったです……スケボーかっこいい……

 

 

*****

 

 

そしてここからは、観ていたんだけどフェードアウトしてしまったり、観ているけどどうしてもウームとなっている作品たちを少々。(冒頭にも言ったとおり、ちょっとネガティブな理由なので好きなものあったらほんとにごめんなさい)

 

『スケートリーディングスターズ』は第1話でダメでした。一度スケートを離れた主人公が、もう一度リンクに立つきっかけとして飛び込みの大会で滑るんだけど、事前登録?的なものをしていなかったから別選手の名前で出場する、というシーンがあって。で、まあここでその代わりになった選手も主人公を応援していた、とかならまだいいんだけど、あろうことかその選手を完全に拘束して閉じ込めて出場できないようにしていたという……しかもその大会のあと、普通に「おまえらひどいじゃねえかよ~!」「わりいわりい!ははっ!」(たぶん初対面)的なやりとりで終了という……。え……普通に最悪では……??????

なんでそんなことしたん。これから先君がどんなに活躍するんだとしてももう応援できないよ……と、申し訳ないけどもう無理で、エンディングすら観ずにテレビ消しました。あれからどうなってるんだろう。もしちゃんと謝るとかあるんだったら知りたいけど、あの感じは本当にサラッと流すシーンだったんだろうな。イヤ~~無理ですね。

 

『約ネバ』2期はね……すごく楽しみにしていたんですよ。1期も面白かったし、原作も読んでたし。そしたら最高に好きなキャラが登場するところまるまるっとカットされていてあんぐり。え、ちょ、マ……??????

これはもう違うものなんだ、としてまだ観てはいるけど、自分の中の「うーん」が拭えない。だってなんで!!!!!!なんで!!!!!実写化もめちゃくちゃ無理だったけどアニメは信じてたのに!!!!!(大声)

 

『ホリミヤ』……すいませんちょっとこそばゆすぎて……!!!こちらも一応観続けてはいるんだけど、いつも少し顔そむけちゃってる。先にも言ったみたいに、わたしはもともと日常系ホワホワアニメに親しんでいないので、おそらくその耐性がないというのも理由のひとつ。あとはちょっっっと堀さん含め女の子の口調についていけず……時代を感じてしまったというか……

あと、ちょっとこれも自分の価値観の問題かと思うんだけど、勝手に電話番号教えたりするのもいかがなもんかな~と。いくら友達同士だとしても、個人情報を相手に確認せず第三者に開示するのはトラブルのもとだと思います。そういうとこ気になっちゃうんですよ。

 

2.43 清陰高校男子バレー部はシンプルにあんまりおもしろいと思えなくて5話くらいで観るのやめました。オープニングのyamaとエンディングの崎山蒼志は好きなんだけどストーリーが本当にわからなくてなあ。原作を読んでいないからと言われればそれまでなんだけど、(イヤ原作未読でもおもしろい作品はたくさんありますから)と思ってしまう……ひねくれ者ですまない。

 

*****

 

とまあ、2021年冬アニメの近況でした。

あと観ている冬ドラマは『天国と地獄』くらいかなあ。そして映画を全然観れていなくてかなしい……。緊急事態宣言のせいで仕事の前後に映画の時間が取れない。『すばらしき世界』『あの頃』はぜっっったい観たいのでがんばります。

そしてエヴァ。本当は初日に行きたかったんですが、仕事の修羅場とダダかぶりで泣きながら諦めました………ネタバレふまないように一生懸命生きます。アアアどうなるのかなア!!!!!

 

あ!ジャンプ本誌が更新&『進撃の巨人』最新話がはじまる!!!!

取り急ぎだけどいったんまたね!!!!

 

 

言い訳したくなったときに読む用の日記

「あなたははじめての取引先にもポーンと電話かけていつの間にか仲良くなっていてすごい」と上司に褒められて、イエそりゃだって仕事ですので……とうろたえてしまった。

 

わたしは知らないところに電話をかけることをまったく億劫に感じないタイプの人間なので、それらの業務を褒められたところで「ホエ」な顔をしてしまう。それよりもスケジュールとにらめっこして、あの人とこの人にこの仕事をオファーして、それをこうやって手配して、だからいつまでに何々が必要で、と組み合わせていくパズルのような思考を働かせるほうがよっぽど疲れる。だから、それらをチョチョイっとできてしまう上司や先輩のほうがもっとずっとすごいよなあと思うのだ。

 

結局、仕事はちいさなパズルを組み立てて大きなものにしていく作業の繰り返しで、だれかひとりでどうにかできるものじゃない。メールの返事はすぐにするとか、留守電はちゃんと聞いてから折り返すとか、そんな当たり前すぎることをおろそかにした瞬間にヤバいミスはやってくる。ひたすら文章を書いていられる仕事なんだろうなと思っていた時期もあったけど、実際は毎日いろんな人とコミュニケーションをとらないといけないものだった。丁寧は大切、でも大変。

 

取り返しのつかないミスをやっちまったことがたぶんまだないことが、実はずっとこわい。そりゃ会社にものすごい損害を被るようなミスをするわけにはいかないけど、このまんまミスを許されない立場になってしまったらどうしようという不安が常にある。次の3月から部内でトップツーのポジションにつくことが決まってしまったことも、たぶん不安要素のひとつだ。責任の重圧をびしびしと感じている(昇進とかじゃなく、単に部内の人が減っての人事なのでおめでたいことでもなんでもない)。こんなふにゃふにゃが自分のすぐ下になるなんていくらハイパー仕事ができる上司でも不安だろうな、と思ったが、その不安を解消するためにはわたしがきちんと敏腕部下になるしかはないのだった。がんばるしかない。はい。

 

でも、やりたいことに「やりたいでーす」と手を挙げてやらせてもらえる職場環境が本当にありがたいことだ、というのは嫌というほど知っている。さっきの「電話がすぐにかけられる」にも通ずるけど、わたしは良くも悪くも場に順応しやすいので、ひたすら下りてくる仕事を淡々とこなすだけの業務だったとしても、それなりに文句を言わず働くんだと思う。そしてそんな自分を嫌いになるのだ。それだったら、こうして不安を感じながらも自分で考えながら働く環境にいられることに感謝しなければ。

 

何がいいたいのかわからなくなってきた。だけど、そんな思考回路がままならないときの文章は、何年か経って読み返すと自分自身の発見がある。

 

2年前の今ごろの日記を読み返して、やっぱ似たようなことで悩んでんな、と思った。

 

よくわかんないならやってみればいいや、と思いながら生きていく。今日の日記は、自分への言い訳をつくらないためのものです。おぼえてろよってね。

初夢は覚えていない

最近、寒すぎて目が覚めることが多い。夜ねむるときにしっかりくるまったはずの掛け布団が、朝になると丸ごとベッドの下に落ちてしまっているからである。こんなに寒いのに、寝ているときの自分がどうして掛け布団と決別しようと思ったのか理解できない。寝相はそこまで悪くないと思っていたけれど、寝相の終着点がはじまりの姿勢と同じなだけで、その過程は案外ヤバいのかもしれない。寝ている自分(というか意識を手放した自分)はもはや自分ではないので、どうにもしようがないのだが。

 

今日は、「もし雪が降ったら在宅勤務です」というホワホワな勤務体制を言い渡されていた日だった。
(これだけ寒いということは!)と、ヒーターをつけるよりも早くカーテンを開けたが、見える景色に大きな変化はなかった。ということは出勤か。すこし落胆しつつも、まあそうだろうなと思ってもいたので、のそのそ布団から這い出して準備をはじめた。(これだけで自分偉いですね点満点です。朝布団から出るということがどれだけ大きな功績か、みんなもっと評価したほうがいい)

 

緊急事態宣言が出されたあとも、わたしの会社の勤務体制は変わっていない。4月のときは在宅になったので、べつに出社しないとこなせない業務というわけではないが、諸々の理由で切り替えはしない方針なんだそうだ。ぴらぴらの平社員だから大きな声で文句は言えないが、なんだかなあ、とモヤモヤ考えている。出勤の電車も、あまり人が減ったとは思えない。

 

非日常が日常になって、今までの当たり前が当たり前ではなくなって、それでも現状を維持し続けようとするわたしたちは愚かなのだろうか。外に出るな、自粛しろと言われているのに、わたしはあしたも電車に乗って会社に行く。これは裏切りなのだろうか。糾弾される行いになるのだろうか。

 

ベッドに入って丸くなって、あした目が覚めたとき、この掛け布団はちゃんとわたしを包んだままでいてくれますようにと祈りながらまぶたを閉じる。おやすみなさい、いい夢を。