選べない未来『天国大魔境』

4月から放送していたTVアニメ『天国大魔境』があんまり面白くて、何度も何度も観返している。今期の春アニメの備忘録まとめをちまちま書き留めていたんだけど、『天国大魔境』に至っては今期というか今まで観てきたアニメランキングの中でも個人的ベスト10に入るほど最高アニメだったので、思わず長文を書きなぐってしまいました。久しぶりに毎週しっかりリアタイしたアニメかもしれない。

 

 

舞台は「大災害」が起きて世界が崩壊してしまった後の日本。文明はとだえ、経済は立ち行かなくなり、人々は自給自足での生活をせざるをえなくなった。物語は、そんな荒廃した世界で「人食い退治」を生業としながら「天国」を探して旅をする少年マルと、マルの護衛をする少女・キルコを主人公として描きつつ、並行して「とある壁の中の施設で暮らす子どもたちの日常」も映し出しながら展開する。

キルコとマル、ふたりの過去が少しずつ明かされてく中、並行する「とある施設の子どもたち」との関連も徐々に見えてきて――という、超SFファンタジーです。(あらすじが下手でごめん。言いようがないんだよ)

 

すっかり荒れ果てた街々を渡り歩くキルコとマルはさながらサバイバーなわけだけど、ふたりはそもそも「文明」が栄えていた時期を知らない。わたしたちから見たら荒れている景色も、彼らからしたら日常のそれなのだ。危険な目にあうのも、理不尽な出来事に巻き込まれるのも、「生まれたときからそうだった」からなんら特別なことではない。ふたりはいつもどこかあっけらかんとしていて、見えるものをそのまま受け入れている。だけどどうしても、わたしは勝手にその中に物悲しさを見てしまって、「ああこれは視聴者の、というか“今”の世界を知る者のエゴだな」なんて思ったりした。(実際、舞台設定「2039年」だし。作中にはかつての世界を知る人たちも生きていて、彼らは過去の生活に戻りたがっていたりする描写もある)

世界観や展開はSFファンタジーだけど、そこで生きるキャラクターたちの心情や行動にはすごくリアリティがある。リアリティというか、人間臭さというか。人間のきたなさ、みにくさみたいなものから目をそらさねえぞっていう気合がある。

 

と、ストーリーや展開ももちろんすっごく面白いんだけど、あともうとにかくアニメーションのクオリティが異常に高いです。

 

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(放送前のPV。このクオリティで12話描ききったんだから恐ろしいよ)

 

わたしもなんだかんだアニメに関しては目が肥えているほうだとは思うんだけど(あらためて言うのかなり恥ずかしいな)、毎回びっくりするくらい作画も演出も構成も素晴らしくて度肝抜かれてました。ド派手アクションとかじゃなくて、日常の所作ひとつひとつがすごく動くんですよ。普通ならキャラが話している顔のアップとかで良さそうなところ、ちょっと首をかしげる仕草が入ったり、表情のパターンが多かったり、「わざわざ描いている」動作の量がエグい。

全話そうなんだけど、個人的には特に、8話が……………、(言葉にならない)

 

スタッフ陣のこだわりが随所に感じられて、映像を観るのが楽しみになるアニメでした。初めて知る情報をこの演出で観たかったから、原作のマンガは未読のまま12話を完走。いやあ、ほんとうによかった。説明が少ないからこそ、徐々につながっていく点と点がくっきりしていて、わからないことばかりなのにモヤモヤはしない。

が、正直1期全部観ても、まだなんにもわからない。謎は謎のまま、でもなんとなく点と点を繋ぐ線も見えているような気がしなくもなくて、とにかく続きが気になってしゃ~ない状況。お願い、2期を………続きをめぐんでください、偉い人…………

 

 

言わずもがな、DVDは予約完了しました。

『天国大魔境』は配信がディズニープラス限定なんだけど、今だけYouTube18話観れます。最悪8話だけでも観て、そしたらきっと全部観たくなるので!

(こちら、7/3までの限定配信です。いそげ!)

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は〜〜〜8話…………(まだ言う)