NY旅行記vol.5 〜帰国編〜(終)

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《前回までのあらすじ》

BANANA FISH』にのめり込みすぎて、とうとう舞台であるニューヨークまでやってきたわたしとMとKちゃん。
波乱万丈な出国・入国を経て、まるっと3日間をかけいろいろなところを巡った。アッシュがブランカに経費を払ったセントラルパーク、涙涙のNY市立図書館、昼間でも余裕で歩けたチャイナタウン……。アップタウンからダウンタウンまで、楽しく元気にニューヨークを網羅。最高、最高でした。
はじまりがあれば終わりがあるように、出国があれば帰国があります。ちゃんとお家に帰るまでが旅行なので、省いてもいいかしらと思った帰国編までがっつりレポにしたよ〜〜!! どうぞ!!

 

*****

 

帰国の日。朝8時の飛行機だったので6時すぎに起床。もう帰るだけだから化粧とかしなくてもいいんじゃないかな……という面倒臭さと、いやいやいや公共の場!といううっすら残る社会人としての意識がせめぎ合った。

Mが「さすがに顔がないまま帰るのは気がひけるからメイクするわ……」と言っていたのが印象的。顔はあるよ。

まるっと4日間(Kちゃんは3日間)宿泊したホテルに一礼して部屋を出た。ありがとう411号室、お世話になりました!

 

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▲ホテルの廊下、シャイニングの双子ちゃんが出てきそうだった

 

フロントのボーイさんが「バイバイ〜」と手を振ってくれてかわいかった。ホテルを出て、ちょうど待ってくれていたタクシーに乗り込む。
まだ外はぼんやり薄暗かった。道路にたくさんゴミが落ちているのがうっすらと見える。タイムズスクエアを抜けて橋を越えて、タクシーが進んでいく。帰りたくないね〜とずっと言っていた。

 

空港について、かなり重たくなったキャリーケースを引きずりながらエアカナダの自動発券機に向かう。3人によぎるトラウマ。いやいやもうeTAESTAも登録したんだし……(有効期限2年はある)。

 

予約番号を入れると、わたしとMの名前のみでてきた。
……Where is K-chan!?
まって、落ち着いて。オーケーオーケー。ちょっとのことでは動じなくなったわたしたち、ニューヨークで圧倒的に成長したと思う。

もう一度トライするもやはりKちゃんがいらっしゃらないので、超強そうなスタッフのお姉さんに声をかけた。お姉さんがテキパキ画面を操作し、予約番号からではなく直接パスポートを読み込んでくれて無事全員分の航空券が手元に。ほっ。

「あれかな、わたし、カナダからニューヨーク行くとき元々のやつに乗れなかったから予約番号から消されてたのかな」とKちゃん。冷静である。たぶんそうなんだろうね。

税関を抜ける列に並ぶ。朝一の飛行機だからかやたら人が多い。リュックを下ろして金属探知機のドームみたいな中を抜けようとしたら、ちゃんと立ち止まって手あげて!みたいなことを言われた。

えっ、先に抜けたMとKちゃんはなにもしてなかったよ!と思いながらおとなしく両手をあげて3秒キープ。何事もなく突破したけど変な汗をかきました。3秒間で、ワラワラ空港警察がやってきて身柄を拘束され人体実験をされるところまで妄想した。こわ〜〜〜

 

搭乗まで1時間ほどの余裕があったので、SHAKE SHACKで朝ごはんを食べた。搭乗前のゆとり久しぶり、ありがたすぎ。朝焼けを見ながらハンバーガーを食べるの特別な感じがしてよかった。

 

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いよいよ機内へ。うわあん、やだよ帰りたくないよ〜〜〜とMとKちゃんに泣きつく。もちろんそんなことは無理ってわかってるんですよ、大人だから……。

 

シートベルトを締め、窓の外を見る。『BANANA FISH』ラストのシーンをいやでも思い出す。やっぱりせつなすぎるだろう、酷すぎるだろうあのラストは……。

 

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さよならアメリカ、さよならニューヨーク

でも君にさよならは言わないよ、アッシュ

ぼくらはきっと会える。どんなに遠く離れていても、君はぼくの最高の友だちだ………

 

感傷的な空の旅を過ごしました。

 

*****

 

感傷に浸っていたらふつ〜〜に爆睡をかまし、あっという間にモントリオールへ。

「あ、ここわたしが一夜過ごした場所だよ……」

ゲートを抜け、Kちゃんが笑いながら教えてくれる。
どうしても思い出してしまう一時の別れ。孤独な時間をよく耐えました。

ニューヨークではほぼカード生活だったため、キャッシュがそこそこ残ってしまっていた。トランジットの時間を使って売店に入る。わたしはぴったり11ドル、Kちゃんは7ドル(Mは使い切りました。天才)。日本のプラザみたいなお店に入り、持ちドルで買えるものを探した。

 

「このチョコいけるんじゃない!?」
「ぜったいいらないよ…やめときな……」
「このショットグラスいけるんじゃない!?」
「ショットグラスは別に欲しくない」(持ってる)
「カナダでよくみるぬいぐるみは!?」
「35ドルするよ!!買えない!!!」(欲しかった)

 

まさかの1時間近くをこの調子できゃっきゃ過ごし何も買わず、けっきょく余ったドルはスタバのコーヒー代になった。ラテを飲みながらカウンターに座って飛行機を眺める。大量に撮ったニューヨーク写真を振り返ったり、おもむろにバナナフィッシュのアニメを流してみたりした。

 

f:id:neeey:20190926214425j:image▲アナ雪ラッピングの飛行機を見た

 

時間がきてゲートに向かう。成田行きということもあって日本人がたくさんいた。
出発のとき成田空港で見かけた男の子ふたりぐみを発見し、完全に同じプランであったことを知る(実は、ニューヨークについてKちゃんと別れ別れになったことに絶望しながら荷物をピックアップしているときにも見かけたのだ)。

全然伏線でもなんでもないのに、3人で「伏線回収〜〜!」と顔を合わせた。映画の見過ぎなのか、わたしたちには日常生活でまで伏線を求めようとしてしまう悪い癖がある。人生に伏線なんかないのにね(by M)(575じゃん)。

なぜか3人とも飛行機の座席がバラバラでちょっと悲しかった。替えてもらえないかな〜と思ったが無理だったので、「じゃあ日本で」と言いながらおとなしくそのまま着席。

 

思いがけずたくさんの思い出をくれたモントリオール空港ともこれでさよならです(もう一度言っておく、カナダに行くには「eTA」が必要だと)。

さあてアラジン観よ〜〜と画面を操作して一瞬で寝てしまった。信じられないのだけど、12時間近くあるフライトのうち体感3時間ほどしかない。けっきょく映画1本も観きれず成田空港に到着。どこでも寝られることは特技だったがどここまでとは思わず、ボキボキになった体をほぐしながら飛行機を降りた。

 

マリオのウェルカムトゥージャパン! が歓迎してくれて帰ってきたなと実感する。12時間ぶり(気持ちは3時間ぶり)にMとKちゃんと合流して、キャリーケースを取りにいった。なかなか出てこなくて、「これでロストバゲッジしてたら泣くよね……」という不穏な妄想をする。す〜ぐ「いちばん最悪なパターン」を想像するのはもはや癖で、最悪なパターンの妄想に慣れすぎて簡単に絶望しなくなった。ポジティブに切り替わるまでネガティブになること、生きやすくなるコツかもしれない。

 

とくに大きな問題もなく全員荷物を回収。

 

「行きとくらべて問題が起こってなさすぎる……」
「逆にこわい」
「終わりよければすべてよしじゃない?」

 

そのとおり、終わりよければすべてよし!

成田空港から電車に乗ってそれぞれ家路に着いた。成田は雨だったけれど、電車が地上に出たらパーっと晴れて天気の子みたいでした。M、Kちゃんと順に電車を降りていく。またねえ、ありがとうねえ。最後の最後まで、楽しくって楽しくって楽しい時間だった。

 

*****

 

さて。長らくお付き合いいただいたNY旅行記もこれでやっとおしまいです。
いろいろあった4泊6日、笑いっぱなしだったのはひとえにMとKちゃんのおかげ。本当にほんとうにありがとう。

この旅行記もたのしみにしてくれてうれしかった。ふたりとも読むのバカ早い。

 

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 ▲「あのビル(右の斜めってるやつ)コナンくんがスケボーで滑り降りてきそうじゃない?」とうれしそうに話すMとKちゃん。めっっっちゃわかる確実に滑り降りてくる

 

そして、あらためて『BANANA FISH』は最高だな〜〜と思いました。どこを歩いても作品がよぎってしまうのは、それだけ綿密なロケハンをしっかりして作品をつくりあげたからなんだろうなあ。愛のある作品に出会えたこと、そのおかげで3人でニューヨークにまで行けたこと、めちゃくちゃハッピーだった!

 

つぎはどうする? どこ行く? ヨーロッパかな〜〜〜!!

 

 

※2021年からヨーロッパに行くためには『ETIAS』(エティアス)という渡航認証システムの申請が必要になるらしい。マジかよ!!!!!!!! そんなことある?????? 伏線回収〜〜〜〜〜〜!?!?!?!?!?